安野モヨコ『監督不行届』祥伝社、2005年(ISBN:4396763530)。

 人気漫画家・安野モヨコが、人気(アニメ)監督の庵野と結婚。庵野のオタク生活をレポートするはずが、己も真のオタクであったという封印された過去に覚醒していくという、エッセイマンガ。

 オタク度が薄い私には50%以上ネタが理解できなかったけど、それはそれとして楽しく読めてしまう。にしても、『美人画報』(ISBN:4062747936)では、オタクのそぶりなど少しも見せなかった安野モヨコの変わりっぷりが素敵であります。ちなみに、安野にとっても自らのオタクっぷりは隠すべき事態なのか、公式WEBサイトにおいても、まだ『監督不行届』の告知がなされておりません。

 ちなみに、一番なんだかなぁと思ったのは、庵野監督の巻末インタビュー。「一時期オタクを脱しようと思った」らしいのですがそれはなしえず、しかし嫁によって「オタク以外の要素」を足されて、新たな自分になったとのこと*1。嫁は、封印したオタクとしての自分を取り戻し、カントクとのオタク結婚ライフに順応する自分、「オタクでいいじゃないか」という話として、マンガを成り立たせているのに、そこと全然関わらないというか、己の問題関心のみでインタビューを喋っているところが、素敵です。エヴァの魂は死なず、といったところなのでしょうか。

★★★★☆。

*1:うろ覚え記述、正確ではありません。