2004-01-01から1年間の記事一覧

恩田陸『光の帝国』集英社文庫、2000年(isbn:4087472426)

人間の中にまぎれ、ひっそりと暮らす、超能力者の一族・「常野」。一族の様々な人物を主人公とした、連作短編集。 連作といっても、設定や登場人物がちょっとかぶるぐらいで、大きなストーリーにはなかなかまとまらない。つながりそうな話、例えば、ぎすぎす…

古川日出男『アラビアの夜の種族 The Arabian Nightbreeds』角川書店、2001年(ISBN:4048733346)。

これはウィザードリィ小説だ。 なぜトレボーが狂王になったのか。なぜ狂王の試練場に勇者を送り込むのか。なぜ迷宮があるのか。なぜ迷宮に魔物がいるのか。ワードナは何者で、なぜ迷宮を守るのか。 その全てがここに記されている。 というのは、妄想にすぎる…

呪われたテナント

というほど大袈裟なものでもないけど、なんかお店が長続きせずにくるくるとかわっちゃう場所ってありますよね。大学前にそういう場所があるんです。まわりの店は結構ずっと変わらないし、人通りも結構あるのに、そこだけ潰れてしまう場所。 今は、2〜3ヶ月…

キヤノン、KS-1200TKM(トラックボール付きテンキー電卓)(ASIN:B0001NNJ3G)

前回のエントリーで、ちょっと愚にもつかないようなデータを載せてしまった理由がこれです。以前、「ケータイWatch スタパトロニクス(http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/18654.html)」で見かけてから欲しくてたまらなかったトラックボール付き…

ワールドカップ2006 アジア最終予選組み合わせ発表

アジア、最終予選の組み合わせが発表になりましたね。日本サッカー協会のホームページ(http://www.jfa.or.jp/)によれば、以下のとおり。◇日本の試合予定 (左側がホームチーム) 2月 9日(水) 日本 対 朝鮮民主主義人民共和国 3月25日(金) イラン 対 日…

林譲治『記憶汚染』ハヤカワ文庫JA、2003年(isbn:4150307407)。

近未来、世界中どこでもネットがつながり、すんごい個人用コンピュータで…、というありがちな高度管理社会ディストピア。 弥生の遺跡から出土した、わずか200年前の粘土版。「非線形」コンピュータ・ネビロスの奇怪な作動…。とばたばたと謎が膨れていく。 な…

大塚英志『物語消滅論――キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」』角川ONEテーマ21、2004年(isbn:4047041793)。

『物語消費論』(ISBN:4044191107)を楽しく読んでしまった人間は買わずにはいられない題名。帯も「イデオロギーに代わって「物語」が社会を動かし始めた――。「物語」の動員力にいかに抗していくのか?」とか格好いいこと書いてあるし。相変わらず商売上手い…

横浜Fマリノス 対 浦和レッズ Jリーグチャンピオンシップ第一戦

後半だけ。明らかに浦和レッズのほうが個々のパワーの強烈さでは上回っている。前へ前へ、ドリブルドリブルの馬鹿サッカー。正直、嫌いではない。ただ今日はマリノスDFの集中力が高く途切れなかった。確実なカバーリング、ラインコントロールと本当に素晴ら…

小林泰三『玩具修理者』角川ホラー文庫、1998年(isbn:4043470010)。

第二回角川ホラー小説大賞の短編賞受賞作。田中麗奈主演の映画(asin:B00006591N )をビデオで見ていたのでなんとなく読んでみました。玩具を不可思議な術で治してくれる男を題材とした表題作と、意識のみが永劫の時間跳躍を課される「酔歩する男」の二編。 …

Jリーグ2004 2ndステージ終了

アントラーズはどうにか最終節勝ちました。しかもファービオ・ジュニオールのゴールで!! めでたいめでたい。 ファービオ・ジュニオールは、来期、残留するのかな。こっそり期待しています。 さて、アントラーズの近年の順位はこんな感じ。 2002年 1st:5…

及川光博

留学中の先輩から指令が来た。 及川光博のDVD(asin:B000657Q0Q)の予約に数軒のCD屋を回る。予約特典のポスターをゲットせよ、とのこと。 一瞬、罰ゲームなのかなと思ったが、まあそれなりに頑張ってみました。 結果は全滅だったのですが、それというのも千…

島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』集英社文庫、1987年(isbn:4087492621)。

未発表のワトソンのホームズ冒険譚と同一の事件について語る夏目漱石の「倫敦覚え書き」が交互に挿入されて叙述は進む。 ホームズの物語はワトソンによりかなり脚色されているという設定。特にホームズが狂っていた時期だとし、その奇行っぷり及びワトソンの…

東野圭吾『探偵ガリレオ』文春文庫、2002年(isbn:4167110075)。

科学トリックを、物理学者が解くという連作短編集。ただあっさりトリックがわかったり、逆に納得いかないものであったりと、あまり成功しているとは評価できない。 そもそも「科学とオカルト」というネタは、その間をふわふわ行き来する状態こそ楽しいのでは…

旅行に行っていました。

友達に会いに、ヨーロッパに行っていました。8日間で、ハンガリー、スロヴェニア(通過だけ)、イタリアとまわってきました。 楽しかったけど、疲れたよ。 貧乏人として、アエロフロートに乗ったのですが、きっちりトランジットに失敗して、モスクワのホテ…

オリックス・バッファローズ

野球、球団合併話、雑感。 分配ドラフトが終了して、楽天にもようやく球団としての実態が備わりつつあるわけですが、楽天の選手が決まったと言うことは当然、合併球団の選手も決まったわけです。 2球団分の戦力の上澄みをとったはずのオリックス・バッファ…

劇的に忙しい…

あー、忙しい。

鳥取の偉人・水木しげる

僕は鳥取出身なのですが、鳥取はスポーツやイベントなどはかなり少ない。文化の受け皿がない、と言ってもいいかも。とはいえ、僕が子供のころと比べたら大分変わっているらしいけど。 鳥取市に10年前ぐらいに出来た県民ホールなんか革命的に大きなハコだっ…

佐藤哲也『熱帯』文藝春秋、2004年(isbn:4163232400)。

読破。 すごい引力がある。一気に読んでしまった。昔の高橋源一郎を読みやすくしたような感じのお話で、それだけに、ストーリーを説明してもあまり意味がないというべきだろう。文体だったり、細かなエピソードがそれぞれ猛烈に面白いのだ、とでもとりあえず…

プレイ?

http://www.sankei.co.jp/news/041105/spo107.htm http://www.asahi.com/sports/update/1105/128.html アテネ五輪、陸上男子ハンマー投げの幻の金メダリスト・アヌシュ(ハンガリー)さんのドーピング検査の尿ごまかし方法が、5日日本オリンピック委員会の…

金城一紀『FLY, DADDY,FLY 』講談社、2003年(isbn:4062116995)。

金城一紀は、『GO』(ISBN:4062736837)でブレイクした作家。わかりやすい青春や熱さを書くのが、特徴と言えるかもしれない。わかりやすいというのは、新作を読んでもどこかで同じような話を読んだことがあるような気になる、と言い換えてもいい。これは批…

いとうせいこう『ワールズ・エンド・ガーデン』新潮社、1991年(ISBN:4103701021)。

先日、いとうせいこうの『解体屋外伝』(ISBN:4062065185)を読んだので、同じ設定を使っているという本作を読んでみた。『解体屋外伝』は、外伝と銘打っていても正しく本作のテーマを引き受けている。外伝でいささか唐突に思われた「世界言語(オリジナル・…

一言

プロ野球、新規参入問題。楽天に決まりましたね。 いろんな経緯はあったけど、ともかくうまくやって欲しい。仙台の民が物珍しく扱ってくれている間に、固定客やスポンサーをつかめるといいね。 ただどんなに頑張ってもばりばり儲かるまでにはいかないと思う…

筒井康隆『薬菜飯店』新潮文庫、1992年(ISBN:4101171289)。

短編集です。僕は基本的には、筒井は長編のほうが好きなのですが、でも一番好きな作品は表題作の「薬菜飯店」だったりします。 不思議な料理店に迷い込んだ主人公が、体を治すという数々の料理を食べて、癒されていくというストーリー。 ストーリーはそれだ…

近況

最近、気分がいいというか、躁状態というか、浮かれ気味だったのですが、昨日そんな僕をたしなめるかのように、やなことがてんこもりで襲いかかってきました。 大変重要な仕事の連絡が行き届いていなかったり、研究棟のカード鍵は破損したり、自転車のチェー…

今日から大学祭です。

研究棟まわりがえらくうるさくて、閉口しました。とはいえ、若者たちの群れの中を歩いていると、若さが充填されるような気も。 というわけで、人が集まる軽音楽のステージを見てきました。ところが、近くのダンスとヒップホップのステージに人をさらわれ、寂…

山本弘『妖魔夜行 戦慄のミレニアム』上・下、角川スニーカー文庫、2000年(isbn:4044152152、isbn:4044152160)

山本弘は、いまや、「と学会会長」という肩書きがもっともとおりがいいんだろうけど、小説家としてもかなり質の高い作品を書いている。『ラプラスの魔』(isbn:4044601100)、『時の果てのフェブラリー』(isbn:4199050353)、ついでに『ギャラクシートリッ…

一言

二日連続で、日本酒で飛んでいました。熱燗最高、日本酒最高! ああ、これでべろべろにさえならなければなぁ。日本酒飲むと、鉄板で酔います。だめです。周りにいた人ごめんなさい。

牧野修『呪禁捜査官 訓練生ギア』祥伝社文庫、2004年(isbn:4396331452)。

読破。魔術が科学を追い越すほどに発達し、社会に組み込まれた社会を舞台に、オカルトを取り締まる捜査官・呪禁官の訓練生が主人公の物語。設定的には、朝松健『マジカル・シティ・ナイト』(isbn:409440371x)と似ています。 「長編ハイパー伝奇」なる肩書…

森岡浩之『夢の樹を接げたら』ハヤカワ文庫、2002年(isbn:4150306907)

『星界の紋章』で大ヒットした森岡浩之の短編集。収められている八つの短編は、言語・異文化としての異星人・意識と世界の秘密といったトピックを扱っている。SFらしさ満点というか、SF読みたい時に読んでがっかりすることはないと思う。森岡浩之、SF…

満州ブーム?

久しぶりに東京に出てみました。東大の総合図書館→神田の本屋というルート。 いつも神田の本屋に行くと、「今買わないと、絶版になるかも」という強迫観念にかられて、あまり必要のないような本まで買ってしまうのですが、今日もそんな感じに。朝、おろした…