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 『星を継ぐもの』からのシリーズ第三作!

 1作目は地球の科学者たちの頭脳総動員の謎の解明。
 2作目『ガニメデの優しい巨人』では、異星人との交流がメイン。
 で、三作目の本作は…。なんと、政治活劇というか、『レンズ・マン』みたいな話にッ。いや、『レンズ・マン』好きだけど、『星を継ぐもの』のシリーズでやる必要があるのかしらん。ちょっとがっくり。

 『星を継ぐもの』の前提として、地球=平和。だから冒険=刺激は宇宙へ。みたいなのがあったはずで、だから科学者は智恵を集結できたはずなのに、いきなり米ソの対立とかって!
 ガメニアンの性格もわけわからなくなっている気がするし。

 あと、迷信・非合理を信じる心が人類の発展を妨げたという見方もちょっと。迷信を研究している身には辛かった(笑)。迷信こそが当時の合理性だったんだよ、とか、合理ってなにを参照軸にしての合理なのか、とか言いたくなったけど、まあないものねだりを言ってもしょうがないですね。

 面白かった部分というと…
 『星を継ぐもの』冒頭の描写など、2作目まで読んでもさっぱり明らかになってないぜ、という部分がわかっていくのが嬉しい。一気に読んだほうがいいね、絶対。

 というわけで、続きらしい『内なる宇宙』も読まないと。
 
 
★★★☆☆。