グレッグ・イーガン(山岸真編・訳)『しあわせの理由』早川文庫、2003年。しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/07/01メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 266回この商品を含むブログ (200件) を見る

◆目次
適切な愛/闇の中へ/愛撫/道徳的ウイルス学者/移相夢/チェルノブイリの聖母/ボーダー・ガード/血をわけた姉妹/しあわせの理由

 イーガンの短編集2冊目。
 編者がどういう意図でこの並べ方を考えたのかわからない。ただ、「適切な愛」は他の作品と毛色がちと違う、暗くて怖い話だし、二つめの「闇の中へ」はSFアイディア一発勝負的な、小説的面白みの薄い作品。というわけで、頭から読み始めていまいち盛り上がりにかけたのですが、三本目の「愛撫」から、ぐわわっと盛り上がって、引き込まれました、よ。

 イーガンの話の作り方も訳者の文章も共に巧みであり、小説的な楽しさが満喫できるのでは。
 
 「愛撫」、「道徳的ウイルス学者」、「しあわせの理由」の三本がお気に入り。
 
 ★★★★☆。