網本将也(原作)、吉原基貴(作画)『U-31』講談社、2003〜2004年。

U-31(1) (モーニング KC)

U-31(1) (モーニング KC)

U-31(2) (モーニング KC)

U-31(2) (モーニング KC)

◆出版社/著者からの内容紹介
Jリーグ……戦力外通告
…国内移籍…日本代表落選…
アトランタの奇跡……

忘れられた元スターサッカー選手の痛みと再生。
再び日本の10番を背負うための“闘い”が始まった!!
日本型現代蹴球ドラマ!!

河野敦彦(27)はJリーグ・東京ヴィクトリーの守備的MF。かつてはトップ下でアトランタ五輪代表にも選ばれ、将来を期待されたスター選手だった。しかし、いつの間にか代表にも呼ばれなくなり、世間からも忘れられつつあった。そんな2002年6月。W杯で日本中が盛り上がる陰で、河野はクラブから戦力外通告を受ける。サッカーを続けるため、輝きを取り戻すため、いま河野敦彦の闘いが始まった――。

 マンガ喫茶にて目についたので、読んでみました、よ。遙か昔、サポティスタで紹介されていたような。

 ブラジルを破った、あのアトランタ五輪代表チームのエース。そしてそこからの転落人生…。という話になると、もちろんあの前園さんがモデルなんでしょうね(笑)。もちろん、海外移籍もしていないし、元々の出身チームがジェフになっているし、とかなりの変更はしていますが。
 で、前園さんをモデルにした、河野さんが所属チーム・ヴェルディ戦力外通告を受けたところから、再び前向きに頑張っていくお話。
 ジェフの阿部をモデルにした選手が、「昔、俺のスターがいたんだ…」と語る所など、なんとなくニヤニヤせずには読めないシーンが満載。

 オシム監督を迎え、再び上昇ロードを向く河野くんと初優勝を目指すジェフ(作中では、ジェムですが)を見ると、千葉県民としてはぐっとこざるを得ません(笑)。

 おっさん選手の悲哀――バカにされたり、女に見放されたり、フィジカルの限界きたり…――という部分もきっちり抑えられていますが、ある程度Jリーグを知っている人間が読んでにやりとする要素の部分が強いので、万人向けとは言えないかも。

 まあ、マイアミの奇跡を見てしまった人間には、涙なしには読めないというか、前園さんもこういう風に復活して欲しかったなぁというか。

 ★★★★☆。