杉並区とインリン

「杉並区教委、中学23校に「つくる会」歴史教科書を採択」(http://www.asahi.com/edu/news/TKY200508120234.html
 継続審議になってもたいしてメディアにはとりあげられず、結局あまり事態は変わらずに決着。テレビでちらっと報道見たけど、街頭での賛成・反対両派入り乱れての混雑をうつしていたぐらいで、あんまり掘り下げた話はなかったなぁ。
 杉並区長は前回検定時から採択したかったとの噂。何故そんなに熱心なのか、その意向はあまりよくわからず。ググってもそのあたり出てこないし、なにか解説記事はないのでしょうか。

 で、インリン様がブログでそのことにふれています。(http://blog.livedoor.jp/yinlingofjoytoy/archives/50100899.html)
 24時間で、賛成・反対両派からトラックバックが100本以上ついている。それなりの盛り上がりですが、まだまだ真鍋かおりに勝てなさそうですね(http://manabekawori.cocolog-nifty.com/blog/2004/07/tommy_february6.html)。

 正直、インリン様つくる会教科書とその周辺の議論をどれだけ知っているのかには、疑問がありますが、あまり地雷を踏まないような、ツッコミしづらい文言になっているように思います。

 むしろ反対派の人びとの中に、インリンが触れてもいない南京の話を持ち出すとか、侵略戦争ではなかったとか、あまり論理的ではない突撃をする人がいたりして。

 それにしても、「侵略戦争ではなかった」とか「反米」とか、初期の『教科書が教えない歴史』ころにはなかった話のように記憶しています。気づいたら話が進んでいるというか。侵略戦争としての十五年戦争を否定してしまうと、アメリカなど同盟国の皆様ともお話があわなくなり、孤立してしまうのではないかと激しく不安。「国民の物語」を作りたいとしても、それが国益に反する形にまで行くとなると、積極的に「歴史=物語」を生成すべしという立場の人*1にしても不本意な結果ではないのかな。

 インリン様への個人攻撃がどれだけのものになるかはわかりませんが、民族主義スケープゴートで行くと中国はまさに本家とも言える力あふれるものがあります*2。日本も負けずに民族主義を高揚させていけば、最終的に「おらたち、やっぱり似ているね」的な突然の友情が生まれたりして。

 うまくオチをつけられず。無念。

*1:たとえば故・坂本多加雄氏とか

*2:たとえば、これ