「真夜中の弥次さん喜多さん」真夜中の弥次さん喜多さん DTS スタンダード・エディション [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2005/10/07メディア: DVD クリック: 54回この商品を含むブログ (356件) を見る

 中国で「真夜中の弥次さん喜多さん」のDVDが売っているとは思いませんでしたが…。コストが安いからともかく作っておけということなんですかね。
 中国人見てもさっぱりわからないだろうなー。字幕が無茶苦茶だったし(笑)。意味を取り違えているというレベルではなく、訳す気がないという感じ。「富士山」が「福建」になっていたのには悶えました。中国人の友達と一緒に見ていたのですが、退屈そうだったな…。

 えー、映画の中身のほうの話。
 ホモでヤク中の喜多さん。その恋人の弥次さん。「おいらリアルがとんとわからねぇ」とダメ人間モードを爆走する喜多さんを救うため、「リアル」を探すため、二人はお伊勢参りへ。道中、ヤク中の喜多さんの夢さながらの奇怪な出来事に巻き込まれながらも、二人は旅を続け…。
 みたいな感じの説明でどうでしょうかっ。一応、ストーリー的に大ネタを用意してある作品なので、これ以上説明するのはためらわれてしまいます…。

 って、そうここが問題であります。原作のしりあがり寿の漫画は、『弥次喜多in Deep』をちろっと読んだだけなのですが、シュールな悪夢の世界を激しく追求するものだったと記憶しております。
 映画版はシュールな場面作りを基本的に踏襲しながらも、ストーリーとして非常にわかりやすく処理してしまっているわけで、だからこそネタバレになってしまうような「大ネタ」が存在しています。まあ、原作通りのシュールさの追求では、大衆の支持は勝ち取れないと判断したのでしょうし、その判断はおそらく適当なのでしょうが、こうもわかりやすくまとめられると興ざめであります。
 「リアル」を求めに、という冒頭の展開部分で、「あなたの存在を感じたいのっ。抱いてっ」みたいな安っぽいエロ展開がふと浮かんだのですが、結局、次元的にはあまり変わらなかったのではないか、と思います。

 ちなみに、板尾や竹内力など、細かいところが面白かったので、それなりに楽しんだことも付記しておきます。

 ★★★☆☆。