森岡浩之『星界の戦旗 4』ハヤカワ文庫、2004年。

 ようやく出た、ついに出た。3巻から何年たったんだろ(3年9ヶ月ぶりとのこと。http://tiyu.to/title.html#16_12_31)。

 ラフィールとジントの話よりも、ラフィール弟のドゥヒールの話、帝国の話の比重が大。3巻の後書きを信じるならば、今後もこの傾向は維持されていき、帝国の興亡史、人類世界の統一の物語として展開されるとのこと。この巻は帝国の進撃、次巻は帝国の苦境というふうに。

 そういう意味で、新たな物語の序章的な話なので、これからの盛り上がりを予想させつつも地味な印象。「星界」シリーズの魅力の一つである、奇矯な人物もほとんど出てこないし、ラブコメ要素もほぼゼロと物足りなさは否めない。
 宇宙艦隊の戦闘シーンなり、帝国の政治家の化かし合い会話などの面白いシーンは残っていても、今までお客さんを集めていた要素の薄さに不安が残るところですが、ま、次以降を楽しみに待つということで。期待分を足しての、★★★★☆。