石井正之編著『文筆生活の現場 ライフワークとしてのノンフィクション』中公新書ラクレ、2004年。文筆生活の現場―ライフワークとしてのノンフィクション (中公新書ラクレ)作者: 石井政之出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2004/07メディア: 新書 クリック: 18回この商品を含むブログ (27件) を見る

 フリー・ライターがいかに食って、いかに書いているのか。
 12人のフリー・ライターのインタビュー・原稿により構成された一冊。
 
 ポイントは、いかに食えない職業であるか。それでも、書きたいものとは何か。なにかの戦略を持って動いているか。そんなところかな。

 自分も研究者の卵(=大学院生)として、将来が見えない場所にいるので、激しい共感を覚えた。また、戦略性や問題意識などの相通じる部分と、逆に研究者にどうにかなれれば、食えるだろうという甘さを実感。
 なにせ、キャリアと知名度、著作を持つライターであっても、生活の不安を口にしている。いや、がっつり稼いでいる人間も多いだろうが。編者の意向か、前半部分に「生活苦しい、将来見えない、でも書きたい」というストレートに発言している人が並んでいるような。まあ、そののりで読み進めていくと、後半あれれ、色が違うという部分に遭遇するけど。

 ともあれ、「自由」を手に入れたくて、ライターなりなんなりを目指そうという人間ならば、読むとなにがしかを感じるのでは、と思う。


★★★★★(自分の激しい共感込みで)