グレッグ・イ−ガン『順列都市』早川文庫、1999年。順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1999/10/01メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 238回この商品を含むブログ (218件) を見る順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1999/10/01メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 49回この商品を含むブログ

 21世紀半ば。近未来。
 一部の金持ちは、生前に自らをスキャンして、コンピュ−タ上に<コピー>を作り出し、永遠の生を過ごしていた。
 とはいえ、技術的・資源的ボトルネックのまえになにもかも快適かつ安定していたわけではない。
 そこに一人の妄想癖の男がある画期的な解決案を提示する……

 時間,世界,主観,コンピュ-タ・シミュレ−ション,セル・オ−トマトン…

 アイディアとガジェットがもりもりと詰めこまれている。正直、出だしはもっさり感があるし、説明が難しいのだけれども、話が動き出してからはかなりひきつけられた、よ。
 何を書いてもネタばれになりそうで、具体的になにもかけないのですが(笑)、楽しかったし、いろいろと考えるネタになりました、よ。

 以下、読んでいない人は無視の一言(笑)。
 で、ちょっと思ったのは、順列都市アイディアを発明したダラムくんならば、最後は恐れる必要がなかったんじゃないかな。パラレル・ワールドなら、そういう世界もありえた、だから大丈夫というふうになるはずでは。

 そこのアイディアを完全パラレル・ワールドではない方法論として、たとえば魂と魂の存在をかけた戦いとかで進めるならば、もうちょっと違う話が入ってこないといけないような気がする。

★★★★☆。