夏目房之介『マンガと「戦争」』講談社現代新書、1997年。マンガと「戦争」 (講談社現代新書)作者: 夏目房之介出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/12/18メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (20件) を見る

◆目次
1 手塚マンガと戦争―『幽霊男』と『来るべき世界』
2 戦記物ブームと『紫電改のタカ』
3 水木しげると戦記マンガ
4 戦記物とSF―『サブマリン707』
5 ガロとCOMの「戦争」
6 戦後世代の「戦争」マンガと『ゴルゴ13
7 終末としての「戦争」―『デビルマン』と『宇宙戦艦ヤマト
8 大友克洋と『AKIRA
9 神話とシミュレーション―『風の谷のナウシカ』と『沈黙の艦隊
10 「戦争」と身体―『僕らはみんな生きている』と『新世紀エヴァンゲリオン


 手塚治虫からエヴァンゲリオンまで。マンガに描かれた戦争イメージから、戦後日本の戦争観を照射する、というコンセプト。

 21世紀を生きる(?)僕らにとってのリアリティって、テレビ・マンガ・雑誌・映画とかが大きな構成要素を占めると思うから、このコンセプト自体には大賛成。

 ただ、夏目自身も後書きで述べているように、十分に展開できたとは言い切れないかも。
 60年代から70年代にかけて。2章から8章までが、その時期に当てられていて、前と後にちょっと付け足した感じ。
 個々の作品分析としては面白い。けど、コンセプトを生かすのならば、筋をもうちょっと作るべきだったのかも。

 BSマンガ夜話の「夏目の目」でやっているような、絵も込みのマンガ分析が少ないことも不満。まあ、あれは映像だから出来ることなのかしらん。

★★★☆☆