古橋秀之『ブラックロッド』メディアワークス、1996年。ブラックロッド作者: 古橋秀之出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 1996/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (27件) を見る

◆内容(「BOOK」データベースより)
黒革のコートに黒いブーツ。黒い制帽の正面には、青く光る霊視眼巨大な黒い呪力増幅杖を携え異形の街ケイオス・ヘキサで絶対の法を司るおのれの感情を殺した男―公安局・魔導特捜官「ブラックロッド」。その力を恐れぬ者はいない。だが、今回の捜査は何かが違った…。第2回電撃ゲーム小説大賞受賞。

 うー、もう9年前ですよ。あおりで気になって、そのうち読もうとか思って忘れていました。『サムライ・レンズマン』のついでに、図書館から借りてきました、よ。

 科学のかわりに魔法が発達した世界が舞台。で、世界を滅ぼそうと暗躍する「影男」くん、最強の魔導捜査官「ブラックロッド」、その相棒である魔女「ジーン」、吸血鬼最後の生き残り「ビリー・龍」。

 こいつらが格好良く戦うお話。ストーリー、伏線、どんでん返しとか、一応用意されているし、結構考えてもいるのだと思うけど、その印象は極めて薄くて、格好いいシーン・キャラクター・世界の描写に頁は割いてあるっつーか。

 各キャラクターの登場シーンが一巡したら、なんかもうクライマックスみたいな感じだったもんね。今、思ったけど、この作りって、テーブルトークRPGのシナリオっぽいかもしれませんね。

 ちなみに、『サムライ・レンズマン』では手足を吹き飛ばすことに情熱をかけていた古橋氏ですが、今作では衝撃によって肋骨が体から飛び出すという描写に愛を注いでいます。

 ★★★☆☆。