陳健民『さすらいの麻婆豆腐』平凡社、1996年。さすらいの麻婆豆腐―陳さんの四川料理人生 (平凡社ライブラリー)作者: 陳建民出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1996/01/01メディア: 新書 クリック: 14回この商品を含むブログ (13件) を見る

 中華の鉄人・陳健一

 おいらは大学入試の前日にまで、「料理の鉄人」を見てしまうほどの阿呆でした。

 で、「中華の鉄人・陳健一。あの偉大なる陳健民の息子!!」とか煽られているのを見て、誰だよ、陳健民と気になっていたのですが、あまり気にせず10年が経ちました…。

 で、図書館の書棚をぶらぶらとまわっていたら見かけたので、この本を借りてみました、よ。

 表紙に、
 「ふるさと四川をふりだしに重慶〜上海〜台湾〜香港と渡り歩いてコック修業、「ちょっとのつもり」でやってきた陳建民とともに「麻婆豆腐」も上陸した。日本じゅうに四川料理が広まるまでの、愛情たっぷり料理人生。」
 とか書いてあるので、気軽なエッセイかと思いまして。


 そしたらそしたら。
 あまりの怒濤の人生っぷり!! 夢中で読んでしまいましたっ! すげぇ!!!

 3才に父が死に、金持ち一家はあっさりと離散。
 母と二人で、炭焼き・アヘン窟での菓子売りなど底辺からの出発。
 んでもって、どうにかこうにか料理人になって、安定するかと思いきや、国民党の兵隊に取られるのを避けて、山に逃げ込み、アヘンの栽培……。

 再びコックになり、重慶〜上海〜台湾〜香港〜日本への放浪も面白い。裏切り、倒産、コネ、地縁などジェットコースター人生です。

 読み物としても、当時の中国を知るためにも、これは素晴らしい一冊です!

 超弩級におすすめっ!!!!

 ★★★★★。