妖怪大戦争(http://yokai-movie.com/index.html)

 見てきましたよ、妖怪大戦争
 鳥取人として、妖怪好きとして、ガイナーレ鳥取をこっそり応援しているものとしてっ、水木しげる記念館に二回も行ったものとしてっ*1、みないわけにはいかないでしょうっ!!

 あと、成城トランスカレッジさんの2005年8月6日(http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20050806#p2)の秀逸なレビューも映画館まで足を運ぶ原動力に。でも、ちと最初、レビューに引きずられすぎてみてしまった。
「少年と妖怪は立ち上がっていない。少年は、ただ一番近くで妖怪大戦争を目撃しただけ。妖怪は、ただ野次馬に来ただけ。しかも、それがこの映画の醍醐味のひとつでもある」とあるが、少年=神木くんはちゃんと立ち上がっているように見える。つーか、肝試し=ピルディングス・ロマンという正統なものに見えるけどなぁ。
 とはいえ、そうレビューしたくなる気持ちもよくわかります。だめだめでやる気のない妖怪たち。アニメ版鬼太郎の世界じゃないですね。その妖怪120万匹が東京に集まってくるのはもちろん戦争するためじゃなくて、なんかすごい「祭り」があるので見に来たというだけ。「ええじゃないか」であったり、あるいはライブのモッシュのよう。仲間や自分を守るための戦いを拒否したはずの妖怪が「祭り」のためにのこのことやってくるという、なんとも可笑しい筋立てがこの映画で一番笑ったところの気がする。鬼太郎ファンにはおなじみの妖怪の総大将=ぬらりひょん忌野清志郎)のやる気のなさっぷりは最高であります。

 でもでも、「戦争への態度」のずらしがこの映画のメイン・テーマかというと、そうでもなく、徹底的にメインのストーリーみたいなのがどうでもいい形で、いろんな(楽しい)要素が無秩序に詰め込まれているというのがミソなのかな、と。
 それは、竹中直人忌野清志郎阿部サダヲらの思わず笑える妖怪であったり、栗山千明のシースルー衣装であったり、高橋真唯のふとももであったり*2、神木くんの着替えシーンであったり*3するわけで。なんかそういうどうでもないところがとてつもなく楽しく出来ているのではないか、と。
 で、そういう無秩序な楽しさがあるゆえに、あからさまに広告的な水木しげる記念館水木しげるロード、雑誌『怪』なんかの広告も笑って許せるのかと。違うかな?

 平日17時半開始のがらがらの映画館で見ましたが、観客みなみな声を出して笑っておりました。それって、すごいよね。

★★★★★

◇追記
 そういえば、ラストで重要な役割を果たす小豆なわけですが、一応伏線がはってあったとはいえ、いくらなんでも説得力弱すぎでないの?と思っていたわけですが、プロダクションノートに解説あり。「小豆は食用としてほかに、その美しい赤色が呪術的な意味を持ち、魔よけや厄払いなどに用いられてきました」とのこと。うーむ。これで説明したつもりかっ、とか一瞬思うものの、そういうことをどうでもよく思わせるステキ映画ですので、もういいです。

*1:正直一回で十分です。常設展だけだし。二回目は二階で水木しげるの貸本版悪魔くんを読んでいました。

*2:宮迫くんは少年時代に彼女に助けられているのですが、当時小学生の彼はてらてらと濡れる彼女の太ももをなかば無意識に嫌らしくなで回すのであります

*3:神木くんは超ラブリーですねっ。おっさんのボクから見ても可愛いっす。ちゃんと女子用のフックが用意されているあたりえらいっ