霍元甲

 http://www.fearlessthemovie.com/

 ジェットリー主演映画の「霍元甲」を見ました、よ。日本では三月公開予定。邦題が、「Fearless」なのか、「SPRIT」なのか、はっきりしませんが。

 一ヶ月前ぐらいかな。中央電視台のインタビュー番組で、ジェットリーのインタビューをしていまして。少林寺の武術大会で優勝した頃から、大陸で映画スターに。そして、香港。アメリカでの話。で、「霍元甲」についても語っておりました。「ようやく武術がわかってきた。喧嘩の道具ではない、戈を止めると書いての武。それを伝えたい」とか、熱く語っていました。多分…。

 ところが、一緒に見た中国人友人曰く「映画館で見た友達が一言で説明すると、「打打、殺殺、死」。以上」というあまりにもなまとめ。そして……、実際そのとおりだった、ですっ。

 ジェットリー演じる霍元甲。最強になるために試合を繰り返した彼だったが、恨みを買って家族を皆殺しに。気が触れたようになり、放浪の旅に出る。で、江南の少数民族の村にて出会った人びとに心癒され。復帰。
 んでもって、「東亜病夫」と嘲笑される中国人を勇気づけるために、外国人との試合に挑むのでありました――。

 なんか、ちらっと見たら、その後の展開がことごとく読めてしまうチョー単純ストーリー。台詞もやたら説明調だし。なんか大分カットして、短くしたらしいので、そのせいかもしれないけど。でも、少数民族の素朴な心に癒されるとか、なんか勘弁して欲しいようなステレオタイプ満載でした、よ。

 しかし!武術シーンはやはり素晴らしいっ。これでもかっ、というぐらい、ジェットリーの美しい武術を堪能することが出来ます。動きが流麗だよね。もうおいらはそれだけで充分です…。

 最後の敵、中村獅童くんはどうなることかと心配しましたが、カット割りを工夫してスタントを使ったのか(笑)、動きがみすぼらしくて泣けるということはあんまりなくて一安心。特に日本刀で戦うシーンはかなりいけていたように見えた。素手になってからは…ちと…という感じだったけど。

 あと、たまたま夕方のニュースでやっていたのですが、霍元甲の子孫が怒っているとのこと。かなり好き勝手に事実をねじまげている、と(http://news.enorth.com.cn/system/2006/02/17/001235726.shtml)。というか、一緒に見ていた中国人友達曰く「今まで映画や小説で語られてきた霍元甲ストーリーとあまりに違いすぎる。イメージ壊された」とのこと。少し怒っていたかな(笑)。つまり、歴史事実に則っていないのと同時に、定番・霍元甲物語にも乗っていないみたい。

 ただ、スタッフが「この映画の霍元甲は、イコール、ジェットリーなんだよっ」と言っていたり、先の中央電視台のインタビューも勘案すると、「最強を目指す武術馬鹿」から「真の武術」への目覚めというこの映画の霍元甲は、「ともかく映画を撮るしかなかった武術スター」からの目覚めとして見てもらいたいということなんでしょうね。それが成功しているかはなんとも言えませんが。

 ★★★★☆。